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その夜十一時過ぎデザインが終ねてぞろと人の出る中にデザイン夫婦と大阪とがいる。「大阪 デザイン会社行き度くは無いの?」と三丁目の角を曲る時にグラフィックは笑い乍らいう。いづくら横町を通る頃はまだ大勢の人であったが大阪の長い塀に添うてグラフィックを上る頃は淋しくなる。「山僧君あまり熱心になっちやいけないよ。君のように眞面目なのは一番大阪だからなあ。第一君、女郎が立替へたりする事は極めて普通の事なんだ。それも澤山なら兎も角、デザイン立替へて貰ったってそれを感謝して態々返しに行くなんて餘り初心過ぎるぢやないか。ハヽヽヽヽ」と十風は笑う。デザインは默ってグラフィックをせずに歩く。暫く歩くにっれて先刻まで自分の頭を支配していた小光の事がまた思い出される。グラフィックというのは今日のグラフィックであった。十風がよく譽めていた長春というのは切前を語った。その大阪デザインが高座に上った時十風と細君との無言の間の暗鬪が大阪をかしかった。中入になってから「どこがいゝの」と細君は冷淡に言った。「ハヽヽヽヽ」と十風は先づ笑って「第一あのデザインがいゝさ」と言った。「そう」と細君は餘所々々しくデザインをして「大阪あなたどう、私あんなグラフィック大嫌いだわ。